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「故郷を離るる歌」の原曲は?
昨日に続いて「故郷を離るる歌」についてふれてみました。この歌の曲はドイツ民謡と書かれています。もう7~8年前だったでしょうか、いや10年前だったか記憶になく、「吉丸一昌」の資料にファイルされていたことを思い出し、引っ張りだしてみました。ファイルされたこの文章は「文芸春秋」に載っておりました。残念なことに何年何月の何月号という記載し忘れていました。この全文を記載します。
「故郷を離るる歌」の曲の ”ふるさと” ドイツ・ロマンチック街道の出発点にあるノイシュヴァンシュタイン城
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故郷を離るる歌  
                                                    NHKテレビ外国語講座 テキスト解説委員 小林猛氏
「故郷を離るる歌」という歌をご存じでしょうか。「園の小百合、なでしこ、垣根の千草・・・・」という没頭の歌詞を聞いて、少なくとも中年以上で知らないといわれる方はまずいないと思う。最近でも、レコード店でちょっと探すと、数枚のCDにそのタイトルをみることができる。
 私は、外国語学習雑誌の編集にたずさわっているものですが、その関係で、さくねん、東京のある大学院に籍をを置くドイツ人留学生Mさんと知り合うことになりました。私たちの雑誌の投稿欄にMさんが投稿してきて、その日本語の文章のあまりのうまさにびっくりした私が、読み物の執筆を彼に依頼したのがきっかけでした。
 大学時代にドイツ文学を専攻し、以来ゲルマン系の文化にあこがれを持ち続けていた私は、この若いドイツ人とのつきあいの中で、ドイツ関係かねてから、知りたいと思っていたこと,ネイテイブでなければ分からないようなことを、いろいろ質問しました。
「故郷を離るる歌 」という歌は、最近人気の鮫島有美子さんのCDの中でもそうなのですが、これまで必ず「ドイツ民謡」と紹介されてきました。ところが、実は、ふしぎなことに、日本にずいぶんたくさん輸入されているドイツで作られた「ドイツ民謡集」風なレコード・CDの中に、この歌が入っていたためしがないのです。
 さらにもう一つ、ふしぎなことは、ふつう日本人歌手がドイツ民謡を歌う場合、しばし原語で歌ったり、レコード・CDに原語の歌詞がついたりするものですが、この歌に関するかぎり、ドイツ語の歌詞に出会ったことが全くなく、歌詞はいつも「園の小百合、垣根の千草・・・・」なのです。外国人気コーラスグループが「園の小百合、」と歌っているCD すらあります。
 これはあやしぞ、と私は思いました。そう聞くと、この歌は、誰でも知っているドイツ民謡「ムシデン」に、歌詞も曲相もとても似ています。「早春賦」が、おそらくはモーツアルトの「春のあこがれ」の影響下に、日本で作られたものではないか。
  私は、かねてからこの疑問を、Mさんにぶっつけてみました。
 Mさんに、鮫島有美子さんが歌っているこの歌を聴いてもらいました。彼ははっきりと、こんな歌聴いた事がない、言いました。近いうちにちょっと故郷のマインツに帰るので、その時に、向こうの音楽の専門家に調べてもらってあげよといってくれました。
 それっきり私は、このことを忘れていました。私の仮説がおそらく当たっているのだろう、などと思っていました。
ところが最近、久しぶりにMさんから手紙が来ました。約束したとおり、ドイツで専門の学者に例の歌を聴かせたが、やはり彼も、聴いた事がない、といった。しかし、日本に戻ってしばらくたって、その学者から便りがあり、あなたの言っていたのと同じらしい曲が見つかったが、これに間違いがないだろうと、楽譜、歌詞が同封されていた。自分も楽譜を見て、これに違いないと思ったが、どうだろう。 まぎれもなく、これは「故郷を離るる歌」のメロデイでした。楽譜のコピーの一番上に、「ドイツのラウテの歌」とあり(ラウテというのは昔の弦楽器の名前9その下に「喜び、悩みのなかの愛」さらに、その下に353という数字が出ています。こお歌そのもののタイトルらしものは見当たりません。わきの方に、「フランクより」とあり、この歌が、日本の観光客に人気のあるロマンチック街道の出発点、ドイツ中部のフランケン地方の民謡だったことを示しています。歌詞は、日本語のそれと同じように、故郷を離れようとしている若者の気持ちを歌ってようです。しかし、悲しみは、故郷ではなく、もっぱら恋人との別れによってもたらせるようで、「園の小百合」「なでしこ」を連想させる表現はなく、最後の行の「さらばふるさと、ふるさとさらば」にあたる部分も、そのまま「さらば恋人」のくりかえしとなっています。やはり、「故郷を離るる歌」は正真正銘のドイツ民謡だったわけです。しかし、肝心のドイツでは全くといっていいほど忘れ去られ、わずかに文献の中にだけ残っている寂しい存在です。
 日本製であはないかという私の仮説はくだかれましたが、現状を考えると、この歌はもう.ドイツの歌といより、日本の歌といったほうがいいくらいです。
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【2009/01/26 23:05】 | ドイツロマンチック街道の出発地点がふるさとだった | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
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